>Selection acting over evolutionary time has constructed the mechanisms we have inherited in the present and it is this set of mechanisms that regulates over behavior--not natural selection directly.
別の例をあげますと、なぜ春になると小鳥が鳴くのかというという問いに対して「春になり日長が長くなると、性腺刺激ホルモンの分泌が活発となり、このホルモンの働きでさえずりが始まるのだ」と答えれば、これは至近要因による説明を行ったことになります。一方、「春に繁殖をはじめることは他の季節に繁殖をはじめるよりも、子供の成長の期間を十分に取れる点で繁殖戦略上有利である。それゆえ、春にさえずることが最適の戦略なのだ」と答えれば、これは究極要因による説明を行ったことになります。
実際にはこれらの要因は両方がそろってはじめて、さえずりという現象を実現させることができます。春になって小鳥が鳴くのは、日長の伸びに反応してホルモンを分泌するシステムを小鳥が持っているからであって、「いま繁殖すると有利だ」ということを小鳥が計算しているわけではありません。しかし、なぜ小鳥が日長に反応してホルモンを分泌するシステムを持っているのかというと、それはそのようなシステムを持っている小鳥の方が、持たない小鳥よりも有利であったためで、さもなければそのようなシステムは進化しなかったはずです。(余談ですが、日長に反応するシステムの方が、他のシステム、例えば気温に反応するシステムよりパフォーマンスがいいようです)
実際の現象をもたらすのは至近要因ですが、至近要因が存在するのは究極要因があるからです。逆にいうと、自然淘汰の作用(Selection acting over evolutionary time =究極要因)は至近要因(the mechanisms we have inherited in the present)を介して、間接的に(not directly)、現実の個体の行動を制御(regulates over behavior)しているということができます。